飼い主の役割と自治体の役割①飼い主の役割
豆知識
災害の発生時にペットを守るのは飼い主です。そのため、ペットを守るためには、まずは飼い主が無事でいることが絶対条件です。飼い主がペットの防災を考えることは、ペットだけではなく飼い主自身の災害対策を考えることなのです。
飼い主が自らの安全を確保できるように備えることで、災害時にもペットを適切に飼養することができるでしょう。今回は、災害発生時における、飼い主の役割について見ていきたいと思います。
災害時における、飼い主の役割
自治体や現地動物救護本部など(以下、「自治体等」といいます)による災害時のペット対策での支援は、しつけや健康管理など、平常時に飼い主が十分な飼養管理の責任を果たしていることが前提となっています。災害発生時に避難所などに避難するような場合には、動物由来の感染症などが他の避難者やペットに感染しないようにするとともに、各避難拠点が定めたペット管理のルールを遵守する必要があります。そのため、健康面やしつけを含めた、ペットの平常時からの適正な飼養が、最も有効な災害対策になるといえます。
また、多数のペットを飼養する時は、同行避難することが可能な頭数かどうかについても、十分に検討しておく必要があります。
飼い主の役割とは、ペットを飼うという権利に付随して果たさねばならない義務を常に意識し、災害に対する「十分な備え」をするとともに、常に飼養者の責任を果たす「心構え」をもつことなのです。
いかがでしたか? 災害は予測のできない事象が多く、恐ろしいものですが、平常時からペットとの避難方法を学んでおくことで、適切な対処法に繋がります。
下記ポイントも含め、ぜひ参考にしてみてください。
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飼い主が行うべき対策の例
平常時
- 住まいや飼養場所の防災対策
- ペットのしつけと健康管理
- 不妊・去勢処置
- ペットが行方不明にならないための対策(鑑札、迷子札、マイクロチップなどによる所有者明示)
- ペット用の避難用品や備蓄品の確保
- 避難所や避難ルートの確認などの準備
- 避難所以外の避難先やペットの預け先の確保
- 飼い主同士の共助のためのコミュニケーションと良好な関係の構築
- 避難訓練への参加と家族単位の避難訓練(シミュレーション)の実施
- 携行できるペット情報のまとめ(治療記録、ワクチン接種歴など)
災害時
- 人とペットの安全確保
- 避難が必要な際のペットとの同行避難
- 避難所や応急仮設住宅におけるペットの適正飼養(飼養マナーの遵守と衛生管理、ペットの健康と安全の確保など)
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出典
「人とペットの災害対策ガイドライン」(環境省) P.16-18
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002/0-full.pdf
【平常時と災害時におけるそれぞれの役割(飼い主の役割)】を加工して作成