
災害の種類によって違う?人とペットの避難方法を知ろう!
防災対策
災害はひとつじゃない!「うちの子」を守るための避難の考え方
「もしも、大きな地震が起きたら」「もしも、大雨で近くの川が氾濫しそうになったら」大切な家族であるペットと離れ離れになることを考えただけで胸が締めつけられますよね。
いざという時のため、防災への備えは非常に重要です。ですが、それに加えて、もうひとつ知っておいてほしいことがあります。 それは、「災害の種類によって、避難の仕方は違う」ということ。
地震の場合は揺れがおさまってから。洪水の場合は、早めの避難が鉄則というように、必ずしもすぐに避難所へ向かってよいわけではありません。この違いを理解することが、あなたとペットの安全に役立つはず。
このコラムでは、災害ごとの避難方法の違いに焦点を当て、大切な家族を守るための知識をお届けします。
【地震】自宅が安全なら「在宅避難」、自宅が危険なら「同行避難」
ある夜、突然の大きな揺れ。まずはご自身とペットの安全を確保することが先決です。では、揺れがおさまった後、飼い主がすべきことは何でしょうか?
地震が発生したとき、最初にすべきは自宅が安全かどうかを確認することです。自宅の損傷が軽微で、電気、ガス、水道といったライフラインが使える、または復旧の見込みがある場合は、「在宅避難」も選択肢のひとつとなります。
在宅避難では、自宅が避難所代わりになるため、ペットと一緒にいつも通りの生活に近い環境で過ごせます。食料や水はもちろん、ペット用のフード、薬、トイレシーツなどを日頃から多めに備蓄しておくことが重要です。
一方で、自宅が倒壊の危険性があったり、火災の危険がある場合は、指定された避難所への「同行避難」が必要です。ペットと避難所へ向かう際は、リードをつけたり、キャリーケースに入れて移動させましょう。道中の安全確保だけでなく、他の方への配慮にもつながります。
地震災害時、どの避難方法を選ぶにしても、一番大切なのは「揺れがおさまってからの落ち着いた行動」です。日頃からペットと一緒に避難経路を確認したり、在宅避難に必要なものをリストアップしたりしておくことが、いざという時の冷静な判断に繋がります。
もちろん、自治体ごとの避難場所や避難方法についても調べておきましょう。
避難フロー図で確認しておくと、いざという時に役立ちます。ページのブックマークや画像を保存するなどして、いつでも確認できるようにしましょう。
【洪水・土砂災害】ペットと行う「垂直避難」「広域避難」
自治体から「避難指示」が発令されました。川の水位が上昇し、自宅周辺が浸水する恐れがあります。この時、飼い主が取るべき行動を考えていきましょう。
洪水や土砂災害は、地震とは異なり「事前に予測できる」災害です。そのため、迅速な判断と行動が命を守る鍵となります。
洪水での避難方法には、主に2つの種類があります。「垂直避難」と「広域避難」です。
自宅が洪水で浸水する危険性がある場合、建物の上の階に移動する「垂直避難」が有効な場合があります。ペットと一緒に安全な場所に避難し、水が引くまで待ちましょう。この際も、ペットは必ずキャリーケースに入れるか、リードでつなぎ、安全を確保してください。
土砂災害の危険性が高まっている場合など、自宅が危険な場所にある場合は、「広域避難」が必要です。親戚や友人の家、または指定された広域避難場所に移動しましょう。大切なのは、危険が迫る前に早めに避難することです。
洪水や土砂災害は、いつ発生するか分からない地震とは違い、予報や警報が出されます。日頃から地域のハザードマップを確認し、避難場所や避難経路を家族やペットと共有しておくことが、いざという時のスムーズな行動につながります。
【火災】自身とペットの命を守る「最優先の行動」
煙の臭いがどこからか漂ってくる……隣の家から火の手が上がっている!そんな時、どうしたらいいのでしょうか。
火災は一刻を争う災害です。まず最も大切なのは、人命(自分自身)の安全確保です。火災の煙には有毒ガスが含まれていることが多いため、姿勢を低くして避難するなど、自身と家族の安全を最優先に行動しましょう。
ペットの避難については、事前に「迅速な行動」を訓練しておくことが重要です。火災が起きたら、迷わずペットをキャリーケースに入れたり、抱きかかえたりして、一緒に避難します。火災の際は、一度外に出たら絶対に家に戻らないことが鉄則です。忘れ物があったとしても引き返したりせず、自身とペットの命を守る行動を心がけてください。
火災はいつ、どこで発生するか分かりません。日頃からペットをどこにいてもすぐに確保できるよう、キャリーケースやリードを手の届く場所に置いておきましょう。また、避難経路を事前に確認しておくことも、いざという時のスムーズな行動につながります。
【避難所で大切なこと】ペットを飼っていない人への「思いやり」
災害時は、誰もが不安な気持ちを抱えています。避難所は、さまざまな背景を持つ人々が一時的に共同生活を送る場所です。ペットを連れて避難する際は、動物が苦手な方やアレルギーを持つ方への配慮が欠かせません。
たとえば、以下の点に気をつけましょう。
- ケージやサークルを利用する
避難所内では、必ずケージやサークルを使用し、ペットが自由に動き回らないようにしましょう。 - スペースを確保する
他の人とできるだけ離れたスペースに場所を確保し、トラブルを未然に防ぎましょう。 - 無駄吠え対策
ペットがむやみに吠えないよう、日頃からしつけをしておくことが大切です。 - 衛生管理
トイレシーツはこまめに交換し、抜け毛などを清潔に保つよう心がけましょう。
災害時だからこそ、お互いに助け合い、支え合う気持ちが大切です。ペットを飼っている人も、飼っていない人も、皆が安全に、そして安心して過ごせるように配慮し合うことが、避難所での共生につながります。
いざという時のために、今日からできること
災害は、いつ、どこで起こるかわかりません。しかし、もしもの時のために正しい知識を身につけ準備をしておくことで、大切な家族の命を守ることにつながります。
今回ご紹介したように、災害の種類によって取るべき避難行動は異なります。これらの知識を頭の片隅に置いておくだけでも、きっといざという時の冷静な判断につながるはずです。
そして、知識を実際の行動に移すことが最も重要です。まずは平常時からやっておきたいことを、確認しておきましょう。
- 地域のハザードマップを確認する
お住まいの地域がどんな災害リスクを抱えているか知っておきましょう。 - 防災グッズをチェックする
ペット用のフードや水、薬、トイレシーツなどが不足していないか確認しましょう。 - 家族で話し合う
災害時の集合場所や連絡方法、そしてペットとの避難方法について話し合っておきましょう。
「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、日頃からの小さな備えが、大きな安心につながります。もしもの時に焦らないよう、今日、できることからはじめてみませんか。
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参考文献
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環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3009a.html -
横浜市「~ペットとの同行避難対応ガイドライン~」
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/pet-dobutsu/aigo/saigai-taisaku/disaster.files/0012_20220930.pdf -
神戸市「ペットの防災対策」
https://www.city.kobe.lg.jp/a84140/kenko/health/hygiene/animal/bousai.html
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