04 ペット用の避難用品や備蓄品の確保
在宅(自宅)避難ではもちろんのこと、避難先においてもペットの飼養に必要なものは、飼い主が用意する必要があります。避難指示などが出た場合に、安全に避難場所まで避難できるよう、リードやキャリーバッグなどの移動に必要な用品を準備しておきましょう。それとともに、ライフラインの被害や避難生活に備え、ペットの飼養に必要な物資を備蓄し、必要な場合には持ち出せるようにしておくことも重要です。指定避難所などにペット用の救援物資が届くまでには時間がかかることがあるため、少なくとも5日分(できれば 7 日分以上)は用意があると安心です。特に、療法食などの特別食を必要としているペットの場合は、さらに長期間分の用意が必要となってきます。
また、救援物資は普段使用しているペットフードと同じ物が手に入るとは限らないため、ペットが好き嫌いなく救援物資を利用できるように日頃から備えることも飼い主の大切な役割です。
備蓄品には優先順位を付け、優先度の高いものは避難時にすぐに持ち出せるようにし、人の避難用品とともに保管します。なお、重い物や大きな物などは避難の妨げになるため、いったん避難した後で安全を確認してから持ち出せるように、屋外倉庫や駐車場など、保管場所を工夫しましょう。
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ペットを避難させるために必要な避難用品の例
犬の場合
- 首輪とリード(逸走対策として小型犬などはリードを付けた上でキャリーバッグに入れる)
- クレートやケージ(扉のついたもの)
- 犬用靴下やバンテージ(大型犬を徒歩で避難させる場合、瓦礫などによる怪我を防止する)
猫の場合
- キャリーバッグやケージ(経年劣化によりプラスチック製の組み立て式キャリーバッグが分解したり、扉が開いたりしないように、ガムテープなどで周囲を固定するとよい)
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ペット用の備蓄品と持ち出す際の優先順位の例
優先順位1 動物の健康や命に係わるもの
- 療法食、薬
- ペットフード、水(少なくとも5日分[できれば 7日分以上])
- キャリーバッグやケージ(猫や小動物には避難時に欠かせないアイテム)
- 予備の首輪、リード(伸びないもの)
- ペットシーツ
- 排泄物の処理用具
- トイレ用品(猫の場合は使い慣れた猫砂、または使用済猫砂の一部)
- 食器
優先順位2 情報
- 飼い主の連絡先と、ペットに関した飼い主以外の緊急連絡先・預け先などの情報
- ペットの写真(印刷物とともに携帯電話などに画像を保存することも有効)
- ワクチン接種状況、既往症、投薬中の薬情報、検査結果、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報
優先順位3 ペット用品
- タオル、ブラシ
- ウェットタオルや清浄綿(目や耳の掃除など多用途に利用可能)
- ビニール袋(排泄物の処理など他用途に利用可能)
- お気に入りのおもちゃなど匂いがついた用品
- 洗濯ネット(猫の場合は屋外診療・保護の際に有用)など
- ガムテープやマジック(ケージの補修、段ボールを用いたハウス作り、 動物情報の掲示、など多用途に使用可能)
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ペット用備蓄品の例
- ペット用備蓄品(犬用)の例
- ペット用備蓄品(猫用)の例
- ペット用備蓄品保管袋に付けられた個体情報の例
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出典
「人とペットの災害対策ガイドライン」(環境省) P.37-39
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002/0-full.pdf
【本編Ⅱ 飼い主への普及啓発 ー 1.平常時の備え(4)ペット用の避難用品や備蓄品の確保】を加工して作成