02 ペットのしつけと健康管理
災害が発生した時、飼い主がペットを連れて避難しようとしても、ペットがパニックになり、いつもと違う行動を取る可能性があります。こうした状況下で、人とペットがすみやかに避難するためには、普段からキャリーバッグなどに入ることを嫌がらないように慣らしておくことや、犬の場合は、「待て」「おいで」などのしつけをしておくことが重要です。
避難所にペットを連れて行った時には、人や他の動物を怖がったり、むやみに吠えたりしないこと、ケージやキャリーバッグに慣れていること、決められた場所で排泄ができることなどが必要になる。社会化やしつけは、他人への迷惑となる行動を防止するとともに、ペット自身のストレスも軽減することにつながりますので、日頃から気をつけておきましょう。
また、避難所や動物救護施設では、ペットが体調を崩し、下痢や嘔吐、食欲不振などのストレス兆候を示すことが報告されています。それに加え、他の動物との接触が多くなることから、感染リスクも高くなります。普段からペットの健康管理に注意し、予防接種やノミなどの外部寄生虫を駆除するとともに、トリミングなどを行いペットの健康と衛生を確保しておくことが大切です。
さらに、もし逃げてしまうなど行方がわからなくなった場合の繁殖を防止するために、不妊去勢措置の実施を推奨しています。不妊去勢措置には、性的ストレスの軽減、感染症の予防、無駄吠えなどの問題行動の抑制などの効果もあります。
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災害に備えたしつけと健康管理の例
犬の場合
- 「待て」「おいで」「お座り」「伏せ」などの基本的なしつけを行う。
- ケージなどの中に入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておく。
- 不必要に吠えないようにしつける。
- 人や他の動物を怖がったり攻撃的にならないように慣らしておく。
- 決められた場所で排泄ができるようにする。
- 狂犬病予防接種に加え各種ワクチンを接種する。
- 犬フィラリアやノミダニなどの寄生虫の予防、駆除を行う。
- シャンプーやトリミングにより身体を清潔に保つ。
- 不妊去勢措置を行う。
猫の場合
- ケージやキャリーバッグに入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておく。
- 人やほかの動物を怖がらないように慣らしておく。
- 決められた場所で排泄ができるようにする。
- 各種ワクチン接種を行う。
- 寄生虫の予防、駆除を行う。
- 不妊去勢措置を行う。
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出典
「人とペットの災害対策ガイドライン」(環境省) P.33-34
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002/0-full.pdf
【本編Ⅱ 飼い主への普及啓発 ー 1.平常時の備え(2)ペットのしつけと健康管理】を加工して作成